2010年04月12日

杉崎恒夫第二歌集『パン屋のパンセ』発刊

●「かばん」創刊25周年記念「かばんBOOKS」企画●

杉崎恒夫第二歌集『パン屋のパンセ』発刊
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90歳。
透明なユーモアと
かなしみと、
不変の
みずみずしさ――


<歌集より五首>

      ゆびというさびしきものをしまいおく革手袋のなかの薄明
      卵立てと卵の息が合っているしあわせってそんなものかも知れない
      大文字ではじまる童話みるように飛行船きょうの空に浮かべり
      星空がとてもきれいでぼくたちの残り少ない時間のボンベ
      止まりたいところで止まるオルゴールそんなさよなら言えたらいいのに

      ◆出版:六花書林 発行:2010.4.28 価格:2000円(税別)

「かばん」創刊25周年を記念して実施した会員歌集刊行支援企画「かばんBOOKS」企画により、杉崎恒夫第二歌集『パン屋のパンセ』が六花書林より刊行されました。

「かばんBOOKS」企画とは、「歌集を刊行して欲しい会員」について全会員にアンケートを行い、多くの希望を集めた方の歌集刊行を支援するものです。

 今回最も多くの希望を集めた杉崎恒夫さんは、かばん創刊時からのメンバーで、軽やかでみずみずしく、夜空の星のようなきらめきとさびしさを湛えた作品を25年間出詠してきた方です。

 第一歌集『食卓の音楽』(1987年・品切)刊行から20余年、2400首に及ぶ作品からの選歌は、杉崎さんご自身の体力上のご都合もあり、井辻朱美・高柳蕗子両氏が行いました。

 編集作業が進められるなか、2009年4月に杉崎恒夫さんは肺炎のため享年90才にてお亡くなりになりました。
 歌集刊行を楽しみにしていらした杉崎さんに手にとっていただくことが出来なかったのは、大変悲しく残念なことですが、杉崎さんご子息をはじめとする多くの方のご好意とご協力を得て、ついに本書を刊行することが出来ました。
 杉崎さんが残した珠玉の作品の数々が、多くの方々の心に届くことを願ってやみません。

◆本書は書店を通しての注文、もしくは版元の六花書林よりお求めいただけます(部数が限られておりますので、ご注意ください)。
posted by かばん at 11:36| お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする